1970年

• 町田市に革新系市長誕生。障がい者にやさしい街作りが始まる。

1972年

• 市内に車いす専用トイレ第一号が完成。
• 「やまゆり号」運行開始。「やまゆり号」は町田が全国で一番早く走らせたと言われているハンディキャブ。現在、町田市のすみれ会館の横に一号車が展示されている。

1973～75年

• 町田養護学校が開校。
• 町田市の建築物等に関する福祉環境整備要綱制定される。
• 広報まちだの点字版、 声の広報等の発行始まる。

1978年

• 町田市立公民館が改築開館。利用者懇談会が開催され、車椅子でも自由に利用できるようになった。
• 利用者懇談会で、女性障がい者（千野氏ら）から「電動和文タイプを習いたい」「週一回でいいから外に出たい」などの提案や依頼が出された。

1978～79年

• その声の賛同者らが集まり、電動和文タイプの活用を目指して「むっくりの会」を作り、サークル活動を始めた。電動和文タイプライターは障がい者の出身校である東京都立光明養護学校の先生にお願いして借り受け、講師も母校の先生にお願いした。
• 初期のメンバーは4名（千野、有賀、五十子、右田裕美の各氏）で、公民館の2Fに設けられた「グループ活動コーナー」を活動場所とした。これが「パソコンサークル」のスタートになった。
• 当時、車椅子での外出は困難で、移動手段としては市のやまゆり号しかなかった。

1980年

• 隣の八王子市の方にボランティア講師をお願いし、メンバーも2人増える。
• 市長の講演文や詩集などを文字に起こして発行した。

1983年

• 公民館の利用者懇談会で文章作成講座の開校を提案し、「やさしい文章講座」が開講された。この講座は一般市民の参加もあり、一緒に学ぶことができた。さらにこの方々と後に続くグループ交流もできるようになった。

1986～87年

• 市長からの提案で、町田市民の方からの寄付の一部80万円がパソコン代として「むっくりの会」に贈られ、富士通のパソコン（FM-77）2台を購入した。
• この時のご縁で、福祉事務所から「福祉システム研究会（主催者：太田 茂氏）～富士通系ボランティア団体」をご紹介していただいて講師をお願いし、さらに富士通のワープロ（オアシス）を5台借用させていただいた。
• 市のご厚意により、活動場所を公民館からすみれ会館に変更した。
• 名称を「むっくりの会」から「すみれパソコンサークル」に変更し、ワープロ・パソコン教室として新たな出発点となった。
• このころから、肢体不自由者だけではなく、知的障がい者の参加も増えた。また、講師となっていただけるボランティアの方々の参加も少しづつ増えた。

2000～01年

• おおむね利用者8～15名、ボランティア3～6名で、教本を使ってワープロで文章を入力したり、パソコンの表計算ソフトで家計簿をつける練習をしたり、いろいろなことに挑戦している。
• 世の中の流に合わせ、できるだけワープロからパソコンの活用に移行するように努力した。パソコンのソフトは主に一太郎やワードを使用した。
• 毎回、昼食やおやつの時間に各自の夢や抱負等を語りあった。
• リーダーの右田裕美氏が川上一三氏と結婚（2001年1月18日）。心新たに川上裕美氏誕生。

2002年

• ボランティアの方々の努力によりフリーのOS/Linuxの試行や、フリーソフトのオープンオフィスの試行を行い、有料ソフトのワードやエクセルとの互換性などを確認し、安価に家庭でパソコンが使えるような方策を探った。オープンオフィスにはお絵かきソフトも付いており、使ってみようという利用者もいた。

2005年

• この頃、講師となっていただくボランティアが集まらず、活動に支障が出始めた。

2010年

• 市の都合ですみれ会館が使えなくなり、市民フォーラムの社会福祉協議会の一般貸出用の部屋を借り受けて、ようやく開催できるようになった。しかし倉庫などが使用できずパソコン等の機材はボランティアのメンバーに持ち帰っていただかなければならず、その負担が増大した。
• 会場の手配やパソコン機材の搬入出等々に、当時スタッフの中心メンバーであった久保田直樹氏（町田市在住・弁理士）に多大なご支援をいただいた。

2013～14年

• 肢体不自由者、知的障がい者などを含め、毎回１０名程度の方の参加のもと開催している。
• 寄贈団体イーパーツ様のリユースPC寄贈プログラムからラップトップパソコン10台の寄贈を受けた。

2016年

• ボランティアの方々が減少し、さらに中心メンバーの方が体調不良となったためサークル活動を続けることができなくなり、やむを得ず休止することになった。所有していたパソコンその他の機材は、別のボランティアサークルに無償でお譲りした。

2017年

• 休止した直後から、「すみれパソコンサークル」に参加していた障がい者や友人知人等から「パソコンを使いたい」という声が大きく、川上裕美氏とその友人たちでサークル作りの準備をはじめる。
• 町田ヒューマンネットワーク様のご協力により、社内の会議室や機材置き用に倉庫の一部を借用できることになった。
• さらに、パソコンやプリンターなどの機材調達のめども立ち、「パソコンサークルR」を立ち上げた。この”Ｒ”には「revival（再興）」と「restart（再出発）」の意味が込められた。
• 以前の経験であるすみれ会館利用時の失敗を踏まえて、継続的な活動ができるように事業化の検討を始めた。

2019～20年

• 町田ヒューマンネットワーク様のご都合により、会場の変更が必要になった。
• 川上裕美氏とは旧知の井上博美氏（町田ハンディキャブ友の会事務局長）を通じて、町田ハンディキャブ友の会様の事業の一端としてご支援をしていただけることが決まった。
• 併せて町田ハンディキャブ友の会様の拠点のせりがや会館（町田市社会福祉協議会が運営）の会議室を会場として借用できるようになり、活動拠点をここに移動した。

2021年

• 町田ハンディキャブ友の会様からラップトップパソコン8台の寄付をいただき、併せて従来のパソコンを整理し、現在13台が稼働中。
• 新型コロナウイルスの蔓延により開催ができないこともあるが、原則として月2回のワークショップ開催を実施している。

2022年

• 3月19日、前年末より風邪から肺炎をこじらせていた代表/親分/リーダー 川上裕美氏が永眠された。
• スタッフおよび関係者一同喪に服しながら、故人の遺志を継いで月2回のワークショップやその他の活動を継続実施している。

 
 
 

以上、2022年7月作成　文責：田極 泉

• 本歴史小文は、私が見聞きしたり、川上（旧姓 右田）裕美氏より借用した文章などから作成しています。私自身、1980年代後半から当該サークルの活動を知り、スタッフとしてお手伝いしながらサークルの流れを拝見してきました。私の仕事が海外中心だったためスタッフとして十分なお役立ちはできなかったのが残念ですが、主にウエブサイト作成やパソコンのメンテナンス、インターネット環境整備などの面でお手伝いをしてまいりました。
• これからもこのサークルが、末永く地域の皆様のお役に立てることを願っています。